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シンプルなおやつ

暑い暑い夏が終わり、

蔟は秋の風が吹き始めています。

秋は欲が溢れる季節。

雪が多い山形の秋は、冬を迎える心の準備と、

家周りの準備、慌ただしく過ぎていきます。

 

今日はのんびりとした土曜日。

試作にと、

チョコとクルミのスコーンを焼きました。

バターも卵もなし。

素朴で優しいおやつ。

 

 

わたしは食事療法で体を整えていた時期があり、

いろんなものが食べられない時がありました。

美味しい味を知ってしまっているから、

余計に辛いし、欲がとても溢れる。

ちょうど高校生の時だったので、

みんなとお菓子を食べながら、

女子トークなんて、夢だったなぁ。

あの頃は

おせんべいがわたしのともだち。

 

でも、その期間があったおかげで

素材の味の美味しさを知りました。

野菜もそうだし、調味料も、

だんだんと舌が慣れてくるんですよ。

体って不思議です。

薄味でも野菜の深い深い味を感じたり、

その時期はお寿司もほとんど醤油をつけていませんでした。

私は食べたいものをどうにかして、

食べたいって、研究しまして、

里芋のアイス作ったり、米粉のシチューを

作ってもらったり、チョコの代わりに

キャロブを使ってチョコに近づけたり。

人の欲はすごい。

 

今はいろんなものを食べるようになり、

味覚もあの頃とはまた違うものになっています。

それでも、素材の味を大切にしたいなぁと

思っています。

 

この野菜はどんな風に調理されたいかなって、

考えて、野菜を作っている人を思い浮かべて、

その味を1人でも美味しいって、

思ってくれたら、それで充分。

味の好みなんて、人それぞれですから。

いいんです。

 

でも愛をもって、素材と対話をしながら、

調理していく。

それを大切にしています。

 

シンプルな材料でも、

ほんとに美味しい。

 

体に優しい、

体に安心、安全、

という細かな話ではなく、

シンプルに美味しいって口からこぼれる

ごはんを作りたいのです。