2018.12.10
”ねこ”のこと
2018年10月のこと。
蔟を改修している日々、
ある日突然”ねこ”がやってきました。
”ねこ”は少し汚れていて、やせっぽっち。
私達が作業している姿を遠くから、眺めていました。
”ねこ”ごはん食べてるの?
なんだかかわいそうになり、おやつをあげてしまったのです。
おやつをあげると、むしゃむしゃむしゃむしゃ。
なんてかわいいのだ!
蔟にはすでに1匹のわんこと2匹のネコがいました。
でもおやつをあげたからには、責任もって飼う予定でした。
毎朝蔟について”ねこ!”と呼ぶと、
蔵の隅からひょっこり「にゃ~」とやってきます。
そして日の当たる場所で私たちのことをじっとみてるなぁと
思っていると、ぐっすりお昼寝しているのです。
不思議なことに”ねこ”は17:00になると、どこかへ帰っていきます。
もしかしたら、どこかで飼われているのかも・・・
と思いつつ、蔟にやってくる”ねこ”に会えるのが楽しみで、
”ねこ”のことが大好きになりました。
足にすり寄ってくる”ねこ”
作業をしているのに肩にのってくる”ねこ”
ひなたっぼこをしながらお昼寝する”ねこ”
”ねこ”と過ごすこれからを描きながら、
”ねこ”迎える準備をしていました。
そんなとき、いつもと同じように蔟に行き、
”ねこ!”と呼びかけると、返事がありません。
今日は来ていないのかと思っていると、
かすかに「にゃ~」と聞こえます。
不思議に思ってもう一度”ねこ!”と呼ぶと、
「ここだよ~!」と苦しそうな声で私を呼ぶ声が聞こえました。
声のする方へ行き、”ねこ”を探すと、
倒れこみ、苦しそうにしていました。
「”ねこ”!どうしたの?」
苦しそうに鳴く”ねこ”にどうしたらよいのかわからず、
動物病院へ急ぎましたが、
途中で冷たくなり、息を引き取りました。
私たちは”ねこ”を何度も何度も撫でながら、
「ありがとう」と「ごめんね」を繰り返しました。
正式に「蔟に迎えるよ」と”ねこ”に伝えていなかったこと、
食べ過ぎてはいけないよ、
とご飯をお腹いっぱい食べさせていなかったこと。
後悔ばかりがでてきました。
しばらく”ねこ”ロスになってしまったわたしたち。
でも”ねこ”は蔟にいて、ずっと蔟のこと、
みているんだろうなぁ。
がんばりなさい。って背中を押してくれるんだろうなぁ。
わたしたちは”ねこ”のことが大好きです。
ここに記したのは、蔟にとって大事な”ねこ”との出会いを
みなさんにも知っていてほしいからです。
”ねこ”いつまでも蔟をみていてね。
大好きだよ。